?同一の原料からフッ素置换基の位置が异なる异性体(位置异性体注1))の作り分けに成功。
?フッ素置换基は医薬品に多く含まれており、创薬への贡献が期待される。
?计算化学を利用して、位置异性体を作り分ける机构を解明。
黑料网トランスフォーマティブ生命分子研究所?大学院工学研究科の大井 貴史 教授、荒巻 吉孝 助教、Tobias E. Schirmer(トビアス シルマー) 博士 (研究当時博士研究員)、内田 裕貴 氏 (研究当時 博士後期課程学生)、田浦 悠也 氏 (研究当時 博士前期課程学生)、Pablo Gabriel(パブロ ガブリエル)博士(研究当時博士研究員)、ドイツ?ミュンスター大学のLine Næsborg (リネ ネスボーグ)グループリーダー、Julian C. G. Kürschner(ユリアン キュルシュナー) 氏、 東京大学大学院総合文化研究科の横川 大輔 准教授らの研究グループは、可视光を吸収して働く光触媒を用いる反応に着目し、医薬品开発において重要なフッ素置换基をもつ化合物(含フッ素化合物)の2种类の位置异性体を同じ原料から作り分ける手法を开発しました。
フッ素置换基は化合物の脂溶性や代谢耐性を向上させる効果があるため数多くの医薬品に含まれていますが、その効果を最大化する上で最适な导入位置の决定は、异なる位置にフッ素置换基をもつ多くの化合物からなるライブラリーの构筑と、それを利用したスクリーニングに依存しています。
従来、このようなライブラリーの构筑では、フッ素置换基を望みの位置に导入するためには必要な原料をそれぞれ合成しなければならず、多大な労力と时间を要していました。本手法によって、光触媒として用いたカチオン性イリジウム错体の対イオンと反応溶媒を适切に选択することで、フッ素置换基の导入位置が异なる位置异性体を作り分けることができるようになりました。また、本手法はライブラリー构筑の効率を飞跃的に高め、医薬品の迅速な探索に大きく贡献するものと期待されます。また计算化学を駆使して、位置异性体の作り分けの机构についても明らかにしており、今后、新反応の开発につながる成果であると言えます。
本研究成果は、2025年6月12日付ドイツ化学会誌『Angewandte Chemie, International Edition』に掲載されました。
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注1)位置异性体:
化学式と置换基の种类は同じだが、置换基の位置が异なる関係にある化合物。
雑誌名:Angewandte Chemie, International Edition
論文タイトル:Regiodivergent Photocatalytic Annulation for the Synthesis of gem-Difluorinated Cyclic Hydrocarbons
著者:Tobias E. Schirmer, Julian C. G. Kürschner, Yuki Uchida, Yuya Taura, Pablo Gabriel, Line Næsborg, Daisuke Yokogawa, Yoshitaka Aramaki, Takashi Ooi*
(トビアス シルマー、ユリアン キュルシュナー、内田 裕貴、田浦 悠也、パブロ ガブリエル、リネ ネスボーグ、横川 大輔、荒巻 吉孝、大井 貴史* *は責任著者)
DOI: 10.1002/anie.202502450
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