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生物学

2025.08.08

オスからの求爱歌受け入れの鍵は、ドーパミン ?ハエの未交尾メスの聴覚応答は柔軟に制御されていた?

【研究概要】

?メスの聴感覚细胞注1)の感度をドーパミン注2)が调节していた。
?このドーパミンによる调节の有无は、メスの交尾意欲と関係していた。
?聴感覚細胞に対するドーパミンの調節は、メスの求爱歌への応答行動を促進した。
?动物が示す柔软な音情报処理システムの理解につながると期待される。

 

黑料网大学院理学研究科?トランスフォーマティブ生命分子研究所(奥笔滨-滨罢产惭)の上川内 あづさ 教授、山腰 春奈 博士後期課程学生らの研究グループは、ショウジョウバエのメスにおいて、聴感覚细胞がドーパミンによって柔软に调节されていることを発见しました。
多くの動物において、音刺激に対する応答性が状況に応じて柔軟に調節されています。しかし、こうした調節を可能にする神経メカニズムについては、十分には解明されていません。本研究では、音情報処理の最初の段階を担う聴感覚細胞に着目し、ショウジョウバエをモデルとして研究を行いました。その結果、交尾意欲の高いメスでは、ドーパミンが聴感覚細胞の応答を増強することを発見しました。このような調節は、交尾意欲の低いメスには認められませんでした。さらに、ドーパミンによる聴覚応答の増強が、交尾意欲の高いメスの求爱歌に対する応答行動にも影響を及ぼすことを示しました。
状况に応じた柔软な聴覚応答の调节は、ヒトを含む哺乳类や他の脊椎动物にも共通する现象です。本研究は、动物が状况に応じて感覚処理を调节する仕组みの一端を明らかにするものであり、感覚入力と行动出力の间をつなぐ情报処理の柔软性を理解する上で重要な知见となります。
本成果は2025年7月29日付国际科学雑誌「颈厂肠颈别苍肠别」に掲载されました。

 

◆详细(プレスリリース本文)はこちら

 

【用语説明】

注1)聴感覚细胞:
聴覚器に存在し、音の振动を最初に検知する役割を担う感覚细胞。ショウジョウバエにおいては、これらの细胞はニューロン(神経细胞)であり、触角基部にある「ジョンストン器官」の内部に存在する。
注2)ドーパミン:
脳内のニューロン同士が情报を伝え合うために使う神経伝达物质の一つ。运动制御、报酬系、学习、感情、动机づけなど多様な脳机能に関与している。ヒトから昆虫まで、幅広い动物种において保存された机能を持つ。

 

【论文情报】

雑誌名:颈厂肠颈别苍肠别
論文タイトル:Mating status-dependent dopaminergic modulation of auditory sensory neurons in Drosophila
著者:山腰 春奈、堀米 美帆子、山本 将太朗、岩波 翔也、岩見 真吾、田中 良弥、石川 由希、上川内 あづさ 

 黑料网関係者)
DOI: 10.1016/j.isci.2025.113232
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【奥笔滨-滨罢产惭について】()
黑料网トランスフォーマティブ生命分子研究所(奥笔滨-滨罢产惭)は、2012年に文部科学省の世界トップレベル研究拠点プログラム(奥笔滨)の1つとして採択されました。
奥笔滨-滨罢产惭では、精緻にデザインされた机能を持つ分子(化合物)を用いて、これまで明らかにされていなかった生命机能の解明を目指すと共に、化学者と生物学者が隣り合わせになって融合研究をおこなうミックス?ラボ、ミックス?オフィスで化学と生物学の融合领域研究を展开しています。「ミックス」をキーワードに、人々の思考、生活、行动を剧的に変えるトランスフォーマティブ分子の発见と开発をおこない、社会が直面する环境问题、食料问题、医疗技术の発展といった様々な课题に取り组んでいます。これまで10年间の取り组みが高く评価され、世界トップレベルの极めて高い研究水準と优れた研究环境にある研究拠点「奥笔滨アカデミー」のメンバーに认定されました。

 

【研究代表者】