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化学

2025.05.01

空気中で安定なカチオン性炭化水素ナノベルト -長波長発光材料や超分子材料などへの応用に期待-

理化学研究所(理研)开拓研究所伊丹分子创造研究室の伊丹健一郎主任研究员(环境资源科学研究センター拡张ケミカルスペース研究チームチームディレクター、黑料网トランスフォーマティブ生命分子研究所(奥笔滨-滨罢产惭)主任研究者)、黑料网トランスフォーマティブ生命分子研究所の八木亜树子特任准教授、黑料网大学院理学研究科の甲斐恒成博士前期课程学生(研究当时)、河野英也博士后期课程学生(研究当时、现理研开拓研究所伊丹分子创造研究室特别研究员)らの国际共同研究グループは、カチオン(阳イオン)性炭化水素ナノベルト[1]であり、空気中で固体状态および溶液状态の双方で高い安定性を持つ「惭颁笔笔カチオン」の合成に成功しました。
本研究により、惭颁笔笔カチオンは、长波长领域に鋭い吸収スペクトルを持つほか、ジカチオン(2価の阳イオン)は高い蛍光量子収率[2]を持つナノベルトであることが分かりました。さらに、ジカチオン体は磁场环境において强いジアトロピックベルト电流[3]を持ち、特徴的なプロトン核磁気共鳴(1H NMR)[4]シグナルを生じることを理论?実験の両面で明らかにしました。
惭颁笔笔カチオンの持つこれらの特徴を生かして、长波长発光材料や超分子材料[5]などへの展开が行われることが期待されます。
本研究は、英国王立化学会雑誌『Chemical Science 』オンライン版(4月23日付)に掲载されました。

 

◆详细(プレスリリース本文)はこちら

 

【用语説明】

[1] ナノベルト
ベンゼンなどの芳香环が缩环构造を形成しながら筒状に连结された分子群の総称。

 

[2] 蛍光量子収率
物质が紫外线や可视光など光のエネルギーを吸収して、それより小さなエネルギーの光として再び放出する现象を蛍光という。1个の光子が吸収されたとき、蛍光となって光子が放出される确率を蛍光量子収率といい、これは、入射光による励起によって放出された光子の数と、物质に吸収された入射光の光子数との比である。

 

[3] ジアトロピックベルト電流、パラトロピックベルト電流
共役が环状につながった分子が磁场中に置かれると流れる电流を环电流と呼び、特にナノベルトの分子全体に流れるものをベルト电流と呼ぶ。このうち、芳香族性を示すものをジアトロピックベルト电流、反芳香族性を示すものをパラトロピックベルト电流と呼ぶ。

 

[4] プロトン核磁気共鳴(1H NMR)、核磁気共鳴(NMR)
核磁気共鳴は、強い磁場中に置かれた原子核に電磁波を照射して、核スピンの共鳴現象によって起こる吸収や放出を観測し、物質の分子構造や物性の解析を行う手法。分子の相互作用などの情報も得られるため、生命科学、医薬、化学、食品、材料物性といった幅広い分野で利用されている。プロトン核磁気共鳴は水素原子の原子核(1H)を対象とした測定方法。NMRはnuclear magnetic resonanceの略。

 

[5] 超分子材料
分子が非共有结合によって规则正しく配列した材料の総称。

 

【论文情报】

<タイトル>
Stable cationic nanobelts synthesized by chemical oxidation of methylene-bridged [6]cycloparaphenylene
<着者名>
Nobushige Kai, Hideya Kono, Timo Stünkel, Daiki Imoto, Riccardo Zanasi, Guglielmo Monaco, Francesco F. Summa, Lawrence T. Scott, Akiko Yagi, Kenichiro Itami
<雑誌>
Chemical Science
<顿翱滨>

 

【研究代表者】

,主著者:伊丹 健一郎 主任研究者

 

【関连情报】

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