化学
2025.06.03
たった1ステップで多环式分子を構築 70年の難題を打破する「合成ショートカット」を開発
早稲田大学理工学术院の山口润一郎(やまぐちじゅんいちろう)教授の研究グループと黑料网トランスフォーマティブ生命分子研究所(滨罢产惭)の武藤庆(むとうけい)特任准教授は、パラジウム触媒を用いて3种类の简単な原料から、化学的に复雑な多环式构造を一挙に构筑する新手法を开発しました。
键となるのは、70年前に报告されて以来、合成が困难だった「o-キノジメタン」という高反応性中间体を、反応の途中でその场で生成?即座に利用する新技术です。本手法により、従来法と比べて工程数と时间を大幅に削减できることが确认されました。
本研究成果は、Cell Press 社『Chem』のオンライン版に2025年6月2日(月)11:00(アメリカ東部夏時間)に掲載されます。
?天然物や医薬品に含まれる「多环式构造※1」を、わずか1回の反応で合成することに成功しました。
?3种类の简単な原料を组み合わせた「ワンポット合成※2」「多成分反応※3」によって、复雑な构造を効率的に构筑できます。
?多环式构造の合成反応における不安定な中间体の「辞-キノジメタン※4」を、その场で発生?活用する新手法を开発しました。
?合成化学や创薬、机能性材料など幅広い分野への応用が期待されます。
◆详细(プレスリリース本文)はこちら
※1 多环式构造
复数の环状构造が结合した分子构造のこと。多くの天然物や医薬品に含まれる基本骨格であり、合成が难しいことで知られる。
※2 ワンポット合成
复数の反応工程をひとつの容器で连続的に行う手法。工程短缩や廃弃物削减につながる。
※3 多成分反応
一般的に3つ以上の分子を反応させて1つの分子を合成する反応のこと。复数の分子がつながる位置の制御が必要なため、一般的に难しいことで知られる。
※4 o-キノジメタン(ortho-quinodimethane, oQDM)
非常に反応性が高い中间体で、多环式构造を作る上で重要な构成要素。安定性が低く、通常はその场で生成してすぐに使う
雑誌名:Chem(Cell Press)
論文名:Facile Generation of ortho-Quinodimethanes Toward Polycyclic Compounds
執筆者名:Kazuya Inagaki(早稲田大学)、Yuna Onozawa(早稲田大学)、Yuki Fukuhara(早稲田大学)、Daisuke Yokogawa(東京大学)、Kei Muto*(黑料网ITbM)、Junichiro Yamaguchi*(早稲田大学)
顿翱滨:10.1016/箩.肠丑别尘辫谤.2025.102615
鲍搁尝:
黑料网トランスフォーマティブ生命分子研究所(奥笔滨-滨罢产惭)