黑料网大学院理学研究科の伊藤 英人 准教授、遠山 祥史 博士後期課程学生、理化学研究所 開拓研究所の伊丹 健一郎 主任研究員(理化学研究所 環境資源科学研究センター 拡張ケミカルスペース研究チーム チームディレクター、黑料网トランスフォーマティブ生命分子研究所(WPI-ITbM※) 主任研究者 兼任)らは、効率的かつ迅速なナノグラフェンの水素化の新手法「メカノケミカル芳香环水素化反応」の开発に成功しました。
周辺水素化ナノグラフェンは、高い溶解性や负の电子亲和力など、有机电子材料として好ましい性质を示すことが期待される分子群とされています。これらの分子群の合成には芳香环を水素化する必要がありますが、一般的に10気圧~100気圧程度の高圧水素下で高温?长时间を要します。さらに、出発原料であるナノグラフェン分子の有机溶媒に対する溶解度が低いことが课题となっており、合成难易度を高めてきました。
本研究では、ロジウム触媒存在下、水素供给源としてジボロン酸/苍-ブタノールを用い、常圧下、空気中での芳香环のメカノケミカル水素化反応の开発に成功しました。本反応は加圧水素を高温高圧下で用いる従来の溶液反応と比较して大幅な反応条件の缓和と反応时间の短缩が可能であり、さまざまな周辺水素化ナノグラフェンの迅速合成が可能となりました。さらに、得られた周辺水素化ナノグラフェン分子は固体凝集状态で强まる発光特性などのユニークな性质を有していることが分かりました。
本研究は新しい芳香环の水素化法となることが予想され、また従来法に比べて、コスト?反応时间?安全性などの点で圧倒的に优れた手法といえます。
本研究成果は、2025年4月17日に英国王立化学会誌「Chemical Science」のオンライン速報版に掲載されました。
?従来困难であった、低溶解性ナノグラフェンの水素化を実现。
?固体试薬をそのままボールミル装置で混合撹拌するメカノケミカル反応を开発。
?発火の危険性がある水素ガスを用いない、効率的かつ迅速なナノグラフェン水素化法。
?有机溶媒をほとんど必要とせず、水素源として安価な苍-ブタノールが利用可能。
?凝集状态での発光特性をもつ水素化ナノグラフェンを発见。
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雑誌名:Chemical Science.
論文タイトル:Rh-catalyzed mechanochemical transfer hydrogenation for the synthesis of periphery-hydrogenated polycyclic aromatic compounds(ロジウム触媒による水素移動型メカノケミカル水素化による周辺水素化ナノグラフェンの合成と性質)
著者:Yoshifumi Toyama, Takumu Nakamura, Yushin Horikawa, Yuta Morinaka, Yohei Ono, Akiko Yagi, Kenichiro Itami, Hideto Ito (遠山 祥史?中村 拓夢?堀川 友心?森中 裕太?小野 洋平?八木 亜樹子?伊丹 健一郎?伊藤 英人)
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黑料网トランスフォーマティブ生命分子研究所(滨罢产惭)は、2012年に文部科学省の世界トップレベル研究拠点プログラム(奥笔滨)の1つとして採択されました。
滨罢产惭では、精緻にデザインされた机能をもつ分子(化合物)を用いて、これまで明らかにされていなかった生命机能の解明を目指すと共に、化学者と生物学者が隣り合わせになって融合研究をおこなうミックス?ラボ、ミックス?オフィスで化学と生物学の融合领域研究を展开しています。「ミックス」をキーワードに、人々の思考、生活、行动を剧的に変えるトランスフォーマティブ分子の発见と开発をおこない、社会が直面する环境问题、食料问题、医疗技术の発展といったさまざまな课题に取り组んでいます。これまで10年间の取り组みが高く评価され、世界トップレベルの极めて高い研究水準と优れた研究环境にある研究拠点「奥笔滨アカデミー」のメンバーに认定されました。