2018.05.23
- 大学生活全般
广瀬くんから见た授业-大学で学んだ数学の学习のポイント
みなさんこんにちは!理学部数理学科3年の广瀬です。前回まで、大学で学ぶ数学を分野ごとに绍介させていただきましたが、今回は趣向を変えて、大学の(もしかしたら高校の数学の授业で闻いたこともあると思います)讲义などで、よく闻く数学用语を绍介します。「定义」と「定理」、私自身、高校まではあまり违いを明确にせずに数学を勉强してきました。しかし、より厳密に理论を构筑していく大学での学びを通じて、これらの违いを意识して勉强することが非常に重要であると気づきました。
私が最も大学での数学で苦戦したのは、定义と定理を混同していたのが原因でした。定义とは大ざっぱにいうと、何かある性质をもったものや、○○な状态であることに名前をつけることです。小学校で习ったと思いますが、3辺がすべて等しいという性质をもった叁角形を「正叁角形」という、このことは正叁角形の定义です。もう少し难しい例を挙げると、「関数蹿(虫)が微分可能である」という性质は、调蹿(虫+丑)-蹿(虫)皑/丑の、丑を0に近づけた时の极限が存在することと定义され、蹿(虫)が微分可能であるという条件下で、导関数蹿'(虫)は(蹿(虫+丑)-蹿(虫))/丑の、丑を0に近づけた时の极限と定义されます。ここで大事なのは、定义はこれまでの数学の歴史の积み重ねの中で、人间に都合の良いように先人たちが定めたことなので、定义を习ったばかりの顷は「なぜこの性质をこのように定义するのか」、「なぜこんな名前がついているのか」といった疑问が浮かぶこともあると思います。しかし、その定义に関连する分野の学习を进めていくと、徐々に「このように定义したのはここで便利だからだったのか」と、纳得して定义を受け入れられるようになってきます。また、なにか新しい概念である定义を、図やグラフなどを駆使して感覚的に理解することも、定义の定着に必要です。たとえば先の叁角形の例でいうと、正叁角形や二等辺叁角形、直角叁角形など様々な叁角形をこれまで学习してきたと思いますが、正叁角形と闻いて「3辺がすべて等しいという性质をもった叁角形」という定义を言叶で思い浮かべるよりも、3辺がすべて等しい叁角形の図が头に浮かぶと思います。また习いたての顷を思い出してほしいのですが、おそらく小学校の教科书や先生の板书では定义を言叶で书いて、さらに図を书き添えていたと思います。つまり、定义の文字列を覚えるのは难しく、応用を利かせづらいですが、図という视覚に直接诉えかけるイメージが、定义の定着と応用に大きな役割を果たしているのです。以上から、定义はただ无味乾燥な文章を暗记するのではなく、感覚的な理解と纳得を心がけ、またそれが难しい(理解に苦しむ)场合は、とりあえず现时点では理解をあきらめ先に进み、その定义の応用例などを学习してから定义の便利さや使い方を知ったうえで、定义自体を感覚的に味わってほしいと思います。
一方、定理というのは、命题(正しいか正しくないかが谁にとっても明らかである文章。「2は自然数」というのは真の命题、「4は奇数」というのは偽の命题、「100は大きな数」というのは命题ではない、なぜならば大きいという主観は人によって异なるから)のうち、今后の学习に重要な真の命题を指します。公式は定理のうち、数式であらわされたものです。命题、というからには定理というのは必ず証明できます(もちろんその时点の知识では証明できない定理もありますが、さらに勉强を进めていくと証明できるようになるはずです。また、重要?有益そうな、真であると思われる命题だが、まだ世界で谁も証明できていない命题は「予想」と呼ばれています)。というよりも定理の深い理解は証明によってなされるので、定理が出てきたら必ず証明の道筋を理解してほしいです。なぜ定理は証明も含めて理解すべきかというと、まず、定理の証明はそれまでに出てきた定义や别の定理を利用して示されるものが多く、つまりそれらを使いこなす练习になるということです。また、定理の主张だけ覚えているよりも、その証明を理解しているほうが正しくその定理を使えるようになります。たとえば、証明の道筋を追っていくことでその定理が成立する条件を意识でき、その结果、条件を満たすことを确认してから定理を适用できるようになります。
定理の类义语として「补题」や「系」という言叶もあります。补题はある重要な定理を示す証明の中で用いる命题で、系はほかの定理を用いると比较的简単に导ける命题のことです。一方、定理よりも少し重要度の落ちる主张を「命题」ということもあります。これらの言叶は本の作者や板书する先生の主観(どれが重要な主张か)に基づいて使い分けられるので、惯れるまではこれらの言叶は全部「定理」と言い换えてもいいです(ただしこれらの意味の违いをしっかり読み取れるようになると、作者がどのような道筋でその理论を构筑できたのかという思いの一端を感じられ、理解の一助となります)。いずれにせよ、「定理」「命题」「补题」「系」は証明も込みで理解し、そのうえで用いていくもの、と覚えておいてほしいです。
ここで、上の定义?定理の意味の违いを明确にして、以下の対数の定义とその性质(の一部)を、教科书と思って読んでほしいです。大学で用いる大体の教科书や参考书は、定义と定理(とその証明)の积み重ねに、时々、定义のイメージや定理の使い方がわかる具体的な例や例题が挟まっている、という形式で书かれており、私も以下のような书式で讲义や教科书をまとめたノートをとるようになってから、理解がこれまでよりも深まっていきました。
定理1
补&驳迟;0,补&苍别;1とするとき,任意の正の数产に対して补x=产を満たす実数虫が,ただ1つ定まる
(証明)グラフ(写真掲载)より明らか
定义2
定理1の时、虫を濒辞驳a产と表す。
例3
23=8より濒辞驳28=3(この时2&驳迟;0,2&苍别;1,8&驳迟;0に注意する).
补题4
虫,测&驳迟;0の时、补xay = ax+y (指数法则)
(証明)ここでは简単のため虫,测を自然数とする(実数の场合の厳密な証明は大学で习う、&别辫蝉颈濒辞苍;-狈论法という技法を用いるのでここでは省略します)。
すると写真のような証明により等式は成り立つ(厳密には数学的帰纳法を用いた方がいいです)。
定理5
补&驳迟;0,补&苍别;1,产,肠&驳迟;0とするとき,濒辞驳abc=logab+logac
(証明)
x= logab,y= loga肠とおくと、定理1により虫,测&驳迟;0.
また、定义2よりax=b,ay=c.
よって产肠=补xay=ax+y(补题4を用いた)
以上より(左辺)=濒辞驳abc=logaax+y=x+y=logab+loga肠=(右辺).
高校までの教科书や参考书では、上のような书き方でない(定义と定理の区别が一见すると判别しづらい)こともあります。また、高校までの范囲では証明できないことも定理として习う(上では指数が実数の时の指数法则)ので、「定理は証明してから使う」という意识にもなりづらいかもしれません。ただ、高校生のみなさんも定义と定理をしっかり区别して読むと、教科书や参考书をこれまでよりもしっかりと読めるようになるかもしれません。ちなみに、私がこの感覚を会得したのは大学2年の时に受けた线形空间の讲义でした。この讲义は新しい概念が大量に出てくるので、最初は教科书や板书の文脉を追うのもままなりませんでしたが、定义と定理の违いを明确にして临むと「これは感覚的に理解すればいい」「これはこれまでの知识を駆使して証明すべき」という、一つひとつの主张に対する姿势が明确になり、それまでより格段に読めるようになりました。名大では演习科目が多く(3年次まで毎期1科目以上は数学の演习科目が用意されています。讲义で多くの问题が配布されそれを讲义时间中に、先生に质问しながら解いたり、レポートとして后日提出したりして添削してもらう形式)、また普通の讲义においても、前半は讲义で后半は演习という形なので、问题を解く机会が讲义时间内に限っても多く确保されています(もちろんそれだけでは足りず、校外でも復习は必须ですが)。その际も教科书をしっかり読めていると问题も解け、また解けない场合もどこがわからない(定义のイメージができないのか、定理の使い方に习熟できてないのか)のかが明确になるので、解决もより简単にできるようになりました。
今回はかなり専门的な话でしたが、数学を大学以降も学びたい人には特に意识してほしいと思います。それでは今回の记事はこのあたりにしたいと思います。次回以降も名大で学んだ数学についての记事を书いていきたいと思います。
Profile
所属:理学部物理学科3年生
出身地:爱媛県