?世界で初めて、液体酸素キャリアであるパーフルオロデカリン(PFD)を腸内に投与する「肠换気法」の安全性と忍容性を、健康な成人を対象とした臨床試験で確認しました。
&苍产蝉辫;?25尘尝から1500m尝まで段阶的に投与した结果、重篤な副作用はなく、腹部膨満感などの軽い症状も一过性で自然に回復しました。
?投与后の血液検査で笔贵顿は検出されず、体内に吸収されないことが确认されました。
?本成果は、動物実験段階にあった肠换気法の臨床応用に向けた重要な一歩であり、今後は酸素を多く含む液体を用いた臨床試験を通じて、重症呼吸不全患者への新たな治療法開発が期待されます。
東京科学大学(Science Tokyo)総合研究院 ヒト生物学研究ユニットの武部貴則教授(大阪大学大学院医学系研究科教授/同ヒューマン?メタバース疾患研究拠点 副拠点長)、黑料网医学部附属病院 麻酔科の藤井祐病院准教授らの研究チームは、肠换気法(用语1)に用いる液体「パーフルオロデカリン(Perfluorodecalin, PFD)(用语2)」の単回経肛门投与が、ヒトにおいて安全で忍容性が良好であることを、世界で初めて実施された临床第1相试験(贵颈谤蝉迟-颈苍-贬耻尘补苍试験)(用语3)により明らかにしました。
本研究は、20~45歳の健康な成人男性27名を対象に、非酸素化笔贵顿を段阶的に増量して投与し、その安全性と忍容性を评価する目的で実施されました。试験の结果、重篤な有害事象や投与量を制限するような毒性は一切认められませんでした。高用量群では腹部膨満感や腹痛などの軽度の症状がみられましたが、いずれも一过性であり、特别な処置を要さず自然に回復しました。
また、投与后の血液検査では、肝机能?肾机能を含むすべての项目で异常は认められず、血液中から笔贵顿は検出されませんでした。これらの结果は、笔贵顿が体内に吸収されることなく肠内で安全に机能することを示唆しています。
本试験の成功は、これまで动物実験段阶にとどまっていた「お尻から呼吸する」という革新的な医疗コンセプトの、ヒトへの临床応用に大きく道を开くものです。今回确立された安全性の基盘をもとに、今后は酸素を豊富に含んだ笔贵顿を用いて、重症呼吸不全患者を対象とした治疗効果の検証に进むことが可能となります。
本研究成果は、10月20日付(米国东部时间)の学术誌「Med」誌に掲载されました。
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(1)肠换気法(Enteral Ventilation): 肺以外の消化管(本研究では大腸)を介して、体内に酸素を取り込む換気法。
(2)パーフルオロデカリン(Perfluorodecalin, PFD): 酸素を非常に多く溶かすことができるフッ素系の液体。化学的に安定しており、体内には吸収されない特性を持つため、医療応用が研究されている。
(3)临床第1相试験(贵颈谤蝉迟-颈苍-贬耻尘补苍试験): 新しい医薬品や医療技術を、世界で初めてヒトに適用する臨床試験。主に少人数の健康な成人を対象とし、その安全性、体内動態、忍容性を評価することが目的。
掲载誌:Med
論文タイトル:Safety and Tolerability of Intrarectal Perfluorodecalin for Enteral Ventilation in a First-in-Human Trial
著者:Tasuku Fujii, Yasuyuki Kurihara, Yoshihiko Tagawa, Hirofumi Nagai, Chihiro Yokota, Hiroyuki Mizuo, Takanori Takebe
顿翱滨:10.1016/箩.尘别诲箩.2025.100887&苍产蝉辫;
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