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生物学

2025.07.01

光合成を失う进化の初期プロセスを観察 ~光合成と呼吸のトレードオフをもたらす突然変異~

【研究概要】

?光合成をやめた植物がどのように光合成を失ったのかその进化を観察した例はない。
?シアノバクテリア注1)を暗所で长期间培养し光合成の能力を调べた。
?暗所に适応した株の多くは光合成で生育できないか、もしくは光合成能力が低下した。一方、暗所での呼吸による生育は亲株よりも向上していた。
?ゲノム解読の结果、多数の突然変异が一つの遗伝子に集中して生じていた。
?この遗伝子辫丑蝉笔は、光合成と呼吸のトレードオフに関わる调节的役割を担うと推定される。
?光合成と呼吸のトレードオフを調節するシステムへの突然変異は光合成を失う进化の初期プロセスの一つかもしれない。

 

ナンバンギセルやギンリョウソウのように光合成の能力を失った寄生植物注2)がよく知られていますが、光合成を失う进化のプロセスを観察した例はこれまでありませんでした。黑料网大学院生命农学研究科の肥田 真太朗 博士前期課程学生(研究当時)、西尾 万梨恵 博士前期課程学生(研究当時)、上坂 一馬 研究員、馬場 真里 研究員、高谷 信之 研究員(研究当時)、山本 治樹 助教、井原 邦夫 准教授、藤田 祐一 教授らの研究グループは、叶緑体と同じ祖先をもち植物と同じ光合成を営む微生物シアノバクテリアを、光合成ができない暗闇で长期间培养を行い、光合成の能力の変化を调べました。その结果、実际に光合成能力の丧失?低下が起こり、そのような変化の多くは、ある遗伝子への突然変异による光合成と呼吸のトレードオフによってもたらされたことが分かりました。これらの突然変異と形質の変化は、まさに光合成を失う进化の初期プロセスと思われます。今後は、この新しい光合成と呼吸の調節メカニズムの解明と、光合成が失われるプロセスの具体的な道筋の解明につながると期待されます。
本研究成果は、2025年7月1日午前9时01分(日本时间)に日本植物生理学会誌『Plant & Cell Physiology』のオンライン版に掲载されました。

 

◆详细(プレスリリース本文)はこちら

 

【用语説明】

注1)シアノバクテリア:
植物と同じ光合成を行う微生物。シアノバクテリアの祖先は植物の叶緑体の起源に
なったと考えられている。本研究で使ったLeptolyngbya boryana(図1)もシア
ノバクテリアの一种である。
注2)寄生植物:
光合成を行う植物に寄生する植物で、寄生先の植物(宿主となった植物)から光合
成による有机物などを得て生育するため、その多くは光合成の能力を失っている。

 

【论文情报】

雑誌名:Plant and Cell Physiology
論文タイトル:Genome analysis of dark-adapted variants identifies the phosphatase gene phsP involved in the regulation of photosynthetic and dark-heterotrophic growth in the cyanobacterium Leptolyngbya boryana. (シアノバクテリアLeptolyngbya boryanaの暗所適応株のゲノム解析による光合成と暗所従属栄養生育の制御に関わるホスファターゼ遺伝子phsPの同定)
着者:肥田真太朗、西尾万梨恵、**上坂一马、**马场真里、**高谷信之、*山本治树、*井原邦夫、*藤田祐一(すべて本学関係者、*黑料网教员、**黑料网研究员)
DOI: 10.1093/pcp/pcaf043

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【研究代表者】