?新規环状ジスルフィド脂質(CDL)によって脂质ナノ粒子(LNP)のmRNA送達効率を向上。
?颁顿尝-尝狈笔が细胞内におけるエンドソーム注1)からのmRNA放出を効率化することをin vitro(細胞実験)で確認。
?マウスを用いたin vivo実験において、CDL-LNPがmRNAの送達効率を向上させることを実証。
?抗肿疡免疫応答の诱导を确认。
黑料网大学院理学研究科の阿部 洋 教授、黑料网学際統合物質科学研究機構の木村 誠悟 特任助教らの研究グループは、従来の脂质ナノ粒子(LNP)が抱えるmRNA送達効率の課題を解決するため、新規の环状ジスルフィド含有脂質(CDL)を設計し、これを組み込んだLNP(CDL-LNP)を開発しました。CDL-LNPは、エンドソームからのmRNA放出を促進し、遺伝子発現効率を向上させることをin vitro(細胞実験)で確認し、in vivo(マウス実験)でも送達効率を改善できることを実証しました。本研究は、mRNA医薬の送達技術の発展に大きく貢献するものであり、将来的にはより効果的で安全なmRNA医薬の開発につながるものと期待されます。
本研究成果は、2025年6月27日にRoyal Society of Chemistry誌が発行する雑誌『RSC Medicinal Chemistry』に掲載されました。
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注1)エンドソーム:
细胞が外部から物质を取り込む际に形成される小さな膜状の构造体で、细胞内へ取り込まれた物质の选别、分解、再利用などを制御する细胞内小器官(オルガネラ)の総称。エンドサイトーシスによって细胞内に取り込まれた物质は、まず初期エンドソームに集められ、その后、后期エンドソーム、ライソソームへと运ばれる。この过程で、物质のリサイクル、分解、细胞外への排出などが制御される。
雑誌名: RSC medicinal chemistry
論文タイトル: In Vivo Demonstration of Enhanced mRNA Delivery by Cyclic Disulfide-Containing Lipid Nanoparticles for Facilitating Endosomal Escape
着者: 木村诚悟*, 冈田佳奈, 松原徳明, Lyu Fangjie, 堤进, 木村康明, 桥谷文贵, 稲垣雅仁, 阿部奈保子, 阿部洋* (*は責任著者、下線は本学関係者)
DOI: 10.1039/D5MD00084J
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